🛠️【決別の記録】「青空塗装」の限界とプロとしての矜持。無理難題と値切りが招いた、ある提携関係の終焉(ブログ)

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クイック鈑金
外塗装

はじめに:職人の「誇り」と「環境」のバランス

鈑金塗装の世界において、作業環境は仕上がりを左右する生命線です。もちろん、設備が整ったブースが理想ですが、現場の状況によっては店舗の駐車場などで作業を行う、いわゆる「青空鈑金塗装」を余儀なくされることもあります。

私たち職人は、限られた環境の中でも、持てる技術を最大限に発揮して「期待以上の仕上がり」を目指します。しかし、それには最低限の**「作業への理解」と「相互の信頼関係」**が不可欠です。

先日、私は長年お付き合いのあった、とある担当者との関係を解消しました。そこには、プロとして到底受け入れられない劣悪な環境と、職人の技術を軽視した無理難題、そしてあまりに誠実さを欠く価格交渉があったからです。今回は、なぜ私がその会社とのお付き合いをやめたのか、その理由を綴ります。


🚨 塗装にとって「最悪」の条件が重なった現場

その現場は、屋根のない店舗の駐車場。いわゆる完全な屋外での作業でした。青空塗装自体は技術でカバーできる部分もありますが、そこには「塗装のプロ」なら顔を青くするような悪条件がこれでもかと重なっていました。

1. 上空からの「空爆」:鳥の糞への絶え間ない警戒

まず、屋根がないため、常に鳥の糞というリスクにさらされていました。塗装において、乾燥前の塗膜に異物が付着することは致命的です。作業中、一瞬でも目を離せば鳥の糞が落ちてくる。塗装のガンを握りながら、常に空を仰ぎ、鳥の影に怯えながら作業をする——。それは、集中力を極限まで削る異常な状況でした。

2. 致命的な「シリコン汚染」:すぐ隣での洗車とタイヤワックス

さらに追い打ちをかけたのが、すぐ目と鼻の先で行われていた洗車作業です。

水しぶきが飛んでくるのはもちろん、最悪だったのは**「タイヤワックス」**の使用です。タイヤワックスに含まれるシリコン成分は、塗装にとって最大の敵。空気中に舞ったわずかなシリコン粒子が塗装面に付着すれば、塗料が弾かれてしまう「ハジキ」という致命的な欠陥が発生します。

「ここで今から塗るから、洗車やワックスは控えてほしい」

そう伝えても、現場の担当者は「急いでるからやってくれ」「気をつければ大丈夫だろう」と、聞く耳を持ちませんでした。


📉 「無理難題」の押し付けと、技術への無理解

環境の悪さだけではありませんでした。その担当者からは、物理的に不可能な納期や、本来ならパネル交換が必要なレベルの損傷を「叩きとパテで安く、新品同様に直せ」という無理難題が日常的に押し付けられました。

職人の努力を「当たり前」にする姿勢

過酷な環境下で、ゴミ一つ入れずに仕上げる。シリコンのハジキと戦いながら、鏡面のようなツヤを出す。それは、職人の血の滲むような工夫と集中力の賜物です。しかし、その担当者にとって、それは「できて当たり前」のことでした。

環境を整える努力もせず、リスクだけを職人に背負わせる。そこには、車を再生させる作業への敬意は微塵も感じられませんでした。


💰 最後の決定打:重なる負担と「工賃の値切り」

そして、私がお付き合いをやめる最大の決定打となったのが、作業工賃の値切りです。

これほどまでに劣悪な環境で、神経をすり減らし、材料も特殊なものを選んで対応しているにもかかわらず、その担当者は「もっと安くならないか」「他所はこれくらいでやってるぞ」と、執拗に値切りを要求してきました。

価格交渉という名の「技術の安売り」

適正な価格には、技術料だけでなく、その品質を保証するための「リスク料」も含まれています。青空塗装で、かつ隣でワックスを撒かれているような状況で品質を出すことが、どれほど困難か。その価値を理解しようとせず、ただ数字だけを見て叩いてくる。

「この環境でこの仕上がりを出し、さらに安くしろというのは、プロとしてのプライドを捨てろと言っているのと同じだ」

私はそう確信しました。


📝 結論:お付き合いをやめた「本当の理由」

私がその会社、その担当者とのお付き合いをやめたのは、単に「環境が悪かったから」でも「安かったから」でもありません。**「職人の技術と、お客様の車に対する誠実さが共有できなかったから」**です。

劣悪な環境で無理に作業を続ければ、いつか必ず品質にガタが来ます。その結果、最終的に不利益を被るのは、その車に乗るお客様です。プロとして、納得のいかない環境で、納得のいかない対価で作業を続けることは、お客様への裏切りにも繋がると判断しました。

これからの歩み

現在、私は「ガチの全塗装」を志すプロの社長様たちと繋がり、最高の技術を適正な環境で提供する道を選んでいます。

  • お客様に後悔させないこと。

  • 期待の上をいく仕上がりを提供すること。

  • そして、職人の技術が正当に評価される業界にすること。

これが、私の譲れない一線です。

あの日の決別があったからこそ、今、私は胸を張って「最高の仕事」ができる仲間と共に歩めています。安さや効率だけを追い求めるのではなく、車一歩一歩に魂を込める。そんな当たり前で、一番大切な場所を、私は守り続けていきたいと思います。

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出張鈑金専門店Reborn K's

住所:茨城県つくば市森の里47-10ショッピングセンターC-1

電話番号:080-1219-5197

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