格安全塗装の甘い罠

query_builder 2025/11/27
クイック鈑金
塗装ブース2

最近、SNSやネット広告でよく目にする**「格安オールペン(全塗装)」**。

「数万円〜十数万円で、愛車が好きな色に生まれ変わる!」というキャッチコピーは、車好きにとって非常に魅力的です。

しかし、長年この業界に身を置くプロとして、あるいは一人の車好きとして、このブームに対して**「警鐘」**を鳴らさざるを得ない部分があります。

正直に申し上げます。

格安全塗装は、甘い話ではありません。

「安さ」の裏には、必ず理由があります。その理由を理解せずに飛びつくと、愛車を台無しにし、お財布だけでなく心まで傷つく結果になりかねません。

今回は、あえて厳しい言葉も使いながら、**「格安全塗装のリアルな実態」「絶対に後悔しないための心構え」**について、丁寧に、そして本音で解説します。



【プロの本音】流行りの「格安全塗装」に手を出す前に読んでほしい。安かろう悪かろうの真実と、絶対にやってはいけない人。


「愛車の色が古くなってきたから、安く全塗装したいな」

「流行りのマットカラーに、格安で塗り替えたい」

そう考えているあなた。少しだけ立ち止まってください。

その決断、本当に大丈夫ですか?

近年増えている「格安全塗装店」。

もちろん、全ての店舗を否定するわけではありません。用途と目的が合致すれば、これほどコストパフォーマンスの良いサービスはないでしょう。

しかし、「プロの板金塗装と同じクオリティが、安く手に入る」と勘違いしているなら、それは大きな間違いです。

今日は、業界の裏側を知る立場から、格安全塗装の「不都合な真実」を包み隠さずお話しします。



1. 施工者は「プロ」ではない場合が多い


まず、大前提として知っておいていただきたいのが、**「誰が塗っているのか?」**という点です。

一般的な板金塗装工場で、塗装ブースに入ってガンを握る職人は、何年、何十年と修行を積んだ「塗装のプロ」です。塗料の希釈、気温・湿度に合わせた調整、ガンの運び方、肌(塗装表面)の作り方……すべてにおいて熟練の技を持っています。

一方、驚くべき安さを実現している格安店の多くは、人件費を抑えるために、**「アルバイト」や「研修生」、あるいは「塗装経験の浅いスタッフ」**が作業しているケースが少なくありません。

  • マニュアル通りの手順で塗ることはできる。

  • しかし、トラブル(弾きや垂れ)への対応力がない。

  • 仕上がりの美しさに対する「職人のこだわり」がない。

「塗るだけなら誰でもできる」と言えばそれまでですが、「美しく仕上げる」のは別次元の話です。

格安店では、コストダウンのために**「技術料」という一番大切な部分を削っている**可能性があることを、まずは理解してください。



2. 「仕上がりが酷い」は当たり前?


では、実際にどのような仕上がりになるのでしょうか。

ネットの小さな画像では綺麗に見えても、実車を近くで見ると、プロの目から見れば(時には素人目にも)**「酷い」**と感じるレベルのものが多々あります。


具体的な「安かろう悪かろう」の症状


  • ゴミ・ブツの付着:

    専用の塗装ブースではなく、簡易テントや屋外に近い環境で塗ることが多いため、塗装の中にホコリや虫が混入しているのは「標準仕様」です。

  • ゆず肌(表面の凹凸):

    鏡のようなツルッとした表面ではなく、ミカンの皮のようにボコボコとした肌目になりがちです。本来なら磨きで整えますが、格安店では「磨きなし(塗りっぱなし)」が基本です。

  • マスキングの段差:

    部品を外さずにテープで覆って塗るため、テープを剥がした境界線に塗料の段差ができたり、ゴムモールに塗料が付着していたりします。

  • 色ムラ・透け:

    塗料の重ね方が不十分で、下地の色が透けて見えることがあります。特にドアノブの裏や、ボディの下部などで顕著です。

これらは「失敗」ではありません。その価格帯における**「仕様」**なのです。



3. 「やっていい車」と「ダメな車」の境界線


ここまで厳しいことを書きましたが、格安全塗装が「悪」なわけではありません。

「使い所」さえ間違えなければ、最強のサービスになります。

では、どのような車ならおすすめできるのでしょうか。


【おすすめできるケース】


  • 塗装がハゲハゲでボロボロの車:

    クリア層が剥がれて白い粉を吹いているような状態なら、どんなに雑な塗装でも「塗ってあるだけマシ」です。見栄えは劇的に改善します。

  • もう売る気のない「乗り潰し」の車:

    「次の車検で廃車にする」「壊れるまで乗り倒す」と決めている車なら、リセールバリューを気にする必要がないのでOKです。

  • 仕事で使い倒す軽トラやバン:

    現場で泥だらけになる車なら、少々の塗装ムラなど誰も気にしません。

  • 「遊び」と割り切れる車:

    自分でローラーで塗るような感覚で、「遠目に見ればカッコいいじゃん!」と笑って楽しめるならアリです。


【絶対におすすめできないケース】


  • 愛着を持って大事に乗っている車

  • 高年式(新しい)の車

  • 将来的に売却を考えている車

  • 洗車が趣味で、ボディの輝きを楽しみたい人

大事なことなので言いますが、格安全塗装を施した車は、中古車市場では「価値ゼロ」あるいは「マイナス査定」になることがほとんどです。

「綺麗にしたから高く売れるかも」という期待は捨ててください。プロの塗装とは明確に区別され、「状態の悪い改造車」として扱われます。



4. 「パッと見を良くする」レベルで考える


もし格安全塗装を利用するなら、期待値のコントロールが重要です。

目指すべきは「新車のような輝き」ではありません。

「5メートル離れて見た時に、色が統一されていて綺麗に見える」

これくらいのレベル感です。

近くに寄って、

「あ、ここにゴミが入ってる」

「モールの際がガタガタだ」

「ドアを開けたら元の色が見える」

といった粗探しをするのはナンセンスです。

あくまで、**「ボロ隠し」「雰囲気チェンジ」**のための簡易的な手段であると割り切りましょう。



5. 「ノークレーム・ノーリターン」の精神で


安いお店を利用する際の鉄則。それは**「過度な要求をしない」**ことです。

正規料金の3分の1、あるいは5分の1の価格でやってもらうのですから、サービスの内容もそれ相応になります。

仕上がりを見て、「ここを直してほしい」「あそこが気に入らない」とクレームを入れるのは、牛丼屋さんで高級フレンチの接客と味を求めるようなものです。

  • 納期が遅れても文句を言わない。

  • 垂れやムラがあっても「まあ、安いしね」と笑って流す。

  • 数ヶ月で剥がれてきても「寿命か」と諦める。

これくらいの**「ノークレーム・ノーリターン(NCNR)」の大らかな精神**が必要です。

この覚悟が持てない、あるいは少しでも「仕上がりにこだわりたい」という気持ちがあるなら、絶対に手を出してはいけません。後で必ず揉めることになります。



6. 大事に乗りたいなら、高くても「プロ」へ


最後に。

あなたがもし、今の愛車を心から大切に思っていて、これからも長く、美しく乗り続けたいと願っているなら。

迷わず、設備と技術がしっかりした板金塗装工場へ依頼してください。

全塗装の見積もりが30万円、50万円、あるいはそれ以上になるのには、明確な理由があります。

  • 分解: ライトやドアノブ、ガラスなどを丁寧に外して、隅々まで塗れるようにする手間。

  • 下地: 塗装の耐久性を決める、地味で時間のかかる研磨・サフェーサー処理。

  • 設備: ゴミをシャットアウトする塗装ブースや、高品質なスプレーガン。

  • 塗料: 数年経っても艶引けしない、高級なウレタン塗料やクリアー。

  • 技術: 職人が人生をかけて磨いてきた、均一で美しい肌を作る腕。

高いお金を払うということは、「安心」と「美しさ」、そして「未来の資産価値」を買うということです。

安物買いの銭失いにならないよう、ご自身のカーライフに合わせて、賢い選択をしてください。

愛車にとって一番幸せな選択肢はどちらか、今一度じっくり考えてみましょう。



【当店は「品質重視」の塗装店です】


当店では、いわゆる「格安簡易塗装」は承っておりません。

なぜなら、お客様の大切な愛車を、中途半端なクオリティで仕上げることは、プロとしてのプライドが許さないからです。

その代わり、お預かりしたお車は、熟練の職人が徹底的な下地処理と丁寧な塗装を行い綺麗な仕上がりをお約束します。


「予算はかかるかもしれないが、後悔したくない」

そんな本物志向のお客様からのご相談を、心よりお待ちしております。


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出張鈑金専門店Reborn K's

住所:茨城県つくば市森の里47-10ショッピングセンターC-1

電話番号:080-1219-5197

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